好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

2019-01-01から1年間の記事一覧

「2022年の『ユリシーズ』」の読書会(第四回:第三挿話)に行ってきました

www.stephens-workshop.com第四回を迎えた「2022年の『ユリシーズ』」の読書会に行ってきました。第三回のときの読書会の感想記事はこちらとなります。もう四回目ではありますが改めてご紹介すると、この読書会は『ユリシーズ』刊行100周年である2022年まで…

「佐倉マンガ×アート ギャラリー」に行ってきました

mangart.jpなんだかんだバタバタしているうちにもう一か月も前の話になってしまいましたが、去る2019年11月23日、千葉県佐倉にある旧家「旧堀田邸」で開催された「佐倉マンガ×アートギャラリー」というイベントに行ってきました。海外のマンガやイラストレー…

西崎憲・編『特別ではない一日』を読みました

kaze no tanbun 特別ではない一日作者:我妻俊樹,上田岳弘,円城塔,岡屋出海,小山田浩子,勝山海百合,岸本佐知子,柴崎友香,高山羽根子,滝口悠生,谷崎由依,西崎憲,日和聡子,藤野可織,水原涼,皆川博子,山尾悠子発売日: 2019/10/28メディア: 単行本 短編集ならぬ「…

芝木好子『光琳の櫛』を読みました

光琳の櫛 (新潮文庫)作者:芝木 好子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/05メディア: 文庫芝木好子の小説が好きです。多作な割には今ではなかなか手に入りにくいので、すべて読んだわけではないのですが、私が一番好きな作品がこの『光琳の櫛』です。久しぶ…

テッド・チャン『息吹』を読みました

息吹作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行本読みましたー!!! テッド・チャンの2冊目が出るぞ!という知らせをTwitter経由で知って以来、発売日を手帳に書き込んでずっと楽しみにしていました。 寡作の作家であ…

文楽「一谷嫩軍記」を観てきました

www.ntj.jac.go.jp東京の国立劇場で文楽がかかる度に観に行くことにしているので、今回も行ってきました。 いつもは2部か3部に分かれているのですが、今回は選択の余地なく日付によって昼か夜かの違いのみ。スケジュールの都合で、鑑賞したのは源平合戦の一…

中村妙子『アガサ・クリスティ―の真実』を読みました

======================= 『アガサ・クリスティーの真実』 作者:中村妙子 出版社:新教出版社 発売日:1986年2月25日 メディア:単行本 =======================アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』の訳者である中村妙子さんによるクリスティ本です…

ミシェル・ウェルベック『セロトニン』を読みました

セロトニン作者:ミシェル・ウエルベック出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/09/26メディア: 単行本ウェルベックは『プラットフォーム』とラヴクラフトの評伝しか読んだことがありませんでした。『プラットフォーム』は過激な性描写のイメージが強く…

東京オペラシティアートギャラリー「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」展に行ってきました

www.operacity.jp毎年「ぐるっとパス」という首都圏の美術館・博物館割引チケットを買って、有効期間2か月で狂ったようにミュージアム巡りをしています。2019年度も当然やります、そろそろ出番だ、ということで対象施設の展示一覧を見ていたら、本展示が目に…

アガサ・クリスティ―『アガサ・クリスティ―自伝』を読みました

アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者:アガサ クリスティー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/10/01メディア: 文庫アガサ・クリスティー自伝〈下〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者:アガサ クリスティー出版社/メ…

高野秀行『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』を読みました

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた作者:秀行, 高野発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)『幻獣ムベンベを追え』で強烈な印象を私に残していった高野秀行なので、書店に並んだ時からずっと気になっていました。やっと読みましたが、やっぱり…

カズオ・イシグロ『日の名残り』を読みました

日の名残り (ハヤカワepi文庫)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/05/01メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 190回この商品を含むブログ (293件) を見る某所で土屋政雄訳の本の話をしたあと、猛烈に土屋政…

トーマス・C・フォスター『大学教授のように小説を読む方法 増補新版』を読みました

大学教授のように小説を読む方法[増補新版]作者: トーマス・C・フォスター,矢倉尚子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2019/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る書店で見かけて「これは絶対自分好みだ」という確信を得たので、値…

湯本香樹実『ポプラの秋』を読みました

ポプラの秋 (新潮文庫)作者: 湯本香樹実出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/06/30メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (83件) を見る秋なので。同じ著者の『夏の庭』は読んだのですが、そういえば『ポプラの秋』は読んでいなかっ…

小野不由美『白銀の壚、玄の月』を読みました

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)作者: 小野不由美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/10/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見る読みましたー!!! 巷で話題の十二国記シリーズ最新刊、待望の長編、まさかの4巻組み。おおお… 2冊ずつ2か…

EXPO‘70パビリオン『1970年大阪万博『ビフォー・アフター』展』に行ってきました

www.expo70-park.jp『ビフォー・アフター』展に行ってきましたというよりは、EXPO‘70パビリオンに行ってきましたという内容なのですが。 大阪の万博記念公園は過去にも行ったことがあるのですが、そのときの目的地はみんぱく(国立民族学博物館)、および大阪…

西條奈加『金春屋ゴメス』を読みました

金春屋ゴメス (新潮文庫)作者: 西條奈加出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/09/30メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (45件) を見る面白いよ、とお勧めされて読みました。2005年の日本ファンタジーノベル大賞での大賞受賞作。ファンタジー…

国立民族学博物館『驚異と怪異 想像界の生きものたち』を観てきました

www.minpaku.ac.jpみんぱくの『驚異と怪異』展が非常に良いと評判だったので、関東からはるばる観に行ってきました。 というか、「行ってくる!」という人がいたので背中を押されて便乗しました。しかしやっぱりみんぱくは楽しいな。朝早い新幹線で新大阪ま…

ウィリアム・W・ケリー『虎とバット 阪神タイガースの社会人類学』を読みました

虎とバット 阪神タイガースの社会人類学作者: ウィリアム・W・ケリー,高崎拓哉出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2019/06/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る京都人の父と大阪人の母を持つ私は、物心ついたころからなんと…

山尾悠子・中川多理『小鳥たち』を読みました

小鳥たち作者: 山尾悠子,中川多理出版社/メーカー: ステュディオ・パラボリカ発売日: 2019/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る読みました。読んでしまいました。読まない状態を楽しみたい気持ちと、読んだ状態を楽しみたい気持ちに引き裂かれ…

映画『去年マリエンバートで』を観てきました

www.cetera.co.jpシャネルの協力でリマスター版が出たヌーベルバーグの代表作を映画館で観てきました。ありがとう恵比寿ガーデンシネマ!! 前から気にはなっていたもののずっと見逃していたので、スクリーンで観られて嬉しかった。シャネルの協力で、という…

酉島伝法『宿借りの星』を読みました

宿借りの星 (創元日本SF叢書)作者: 酉島伝法出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/03/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見るすごいものを読んでしまった。しっかりばっちりSFなんですが、良質なファンタジーとしても読めると思います。地球で…

山本周五郎『赤ひげ診療譚』を読みました

赤ひげ診療譚 (新潮文庫)作者: 山本周五郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1964/10/13メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 68回この商品を含むブログ (45件) を見る祖母か父か、どちらかの蔵書だったのを実家の引っ越しを機に貰ったものです。自分ではまず選…

マルク=ウヴェ・クリング『クオリティランド』を読みました

クオリティランド作者: マルク=ウヴェ・クリング,森内薫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見るものすごいディストピア小説がドイツからやってきました。その名も『クオリティランド』。それは最上級の…

「2022年の『ユリシーズ』」の読書会(第三回:第二挿話)に行ってきました

www.stephens-workshop.com「2022年の『ユリシーズ』」第三回に参加しました。ちなみに前回の読書会の記事はこちら。 この読書会は『ユリシーズ』刊行100周年である2022年まで、3年かけて『ユリシーズ』を読んでいこうというユニークな企画で、ジェイムズ・…

野﨑まど・大森望編『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』を読みました

誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)発売日: 2017/04/06メディア: 文庫2017年4月に放送されたアニメ『正解するカド』とはほとんど関係のない、国内外のファーストコンタクトSFアンソロジーです。私は『正解するカド』は観…

映画『時計じかけのオレンジ』を観てきました

asa10.eiga.com毎日午前10時から過去の映画のリバイバル上映を行う「午前十時の映画祭」にて、『時計じかけのオレンジ』を観てきました。やっと観られた!ずっと気になっていたのですが、これまで観たことがなかったのです。噂だけは聞いていたものの…こうい…

ピーター・トレメイン『アイルランド幻想』を読みました

アイルランド幻想 (光文社文庫)作者: ピータートレメイン,Peter Tremayne,甲斐万里江出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (27件) を見る再読本。数年ぶりに読み返したらやっぱり良い本だった…

東秀紀『アガサ・クリスティ―の大英帝国 名作ミステリと「観光」の時代』を読みました

アガサ・クリスティーの大英帝国: 名作ミステリと「観光」の時代 (筑摩選書)作者: 東秀紀出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/05/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見るクリスティの『春にして君を離れ』の読書会準備のた…

麻耶雄嵩『さよなら神様』を読みました

さよなら神様 (文春文庫)作者: 麻耶雄嵩出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る以前読んだ『神様ゲーム』の続編です。『神様ゲーム』の後味の悪さにこのままでは終われないと思って本書を読んだのです…