好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

2024-01-01から1年間の記事一覧

柴崎友香『続きと始まり』を読みました

続きと始まり作者:柴崎 友香集英社Amazon柴崎友香は、新刊が出たら買う作家のひとりだ。とはいえ好きになったのが少し遅かったので、少し前に出た本は持っていないものも多いのですが、読むたびに毎回とてもしっくりくるので、なるべく揃えるようにしている…

川野芽生『かわいいピンクの竜になる』を読みました

かわいいピンクの竜になる作者:川野芽生左右社Amazon2024年初買いの本だった一冊。小説に比べるとエッセイはあまり買わないのですが、川野芽生のエッセイは「A is for Asexual」で読んだことがあり、「エッセイ集!? 読まねば!」と思って買ってきたのでし…

ジム・トンプスン『ゴールデン・ギズモ』(森田義信 訳)を読みました

ゴールデン・ギズモ作者:ジム・トンプスン文遊社Amazon本屋で積んであるのを手に取って、冒頭部分に撃ち抜かれて、酉島伝法の解説をちらっと読んで、即買った本です。とても好みだった。 トディが顎のない男としゃべる犬に出会ったのは、あがり時間まぎわの…

藤井太洋『オーグメンテッド・スカイ』を読みました

オーグメンテッド・スカイ作者:藤井 太洋文藝春秋AmazonITエンジニアが主人公ではない藤井太洋の小説を、初めて読んだかもしれない。小説の舞台は、鹿児島県立南郷高等学校。この学校の理数科は全国から優秀な若者が集まってくるところで、中でも遠方から入…

芝木好子『女の庭』を読みました

女の庭 (集英社文庫)作者:芝木 好子集英社Amazon新刊書店ではほとんど見かけなくなってしまった芝木好子は、古本屋へ行けば文庫の棚に数冊並んでいたり、たまに200円コーナーとかに置かれていたりすることが多い。そのたびに持っていない文庫があれば買って…

藤井太洋『公正的戦闘規範』を読みました

公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)作者:藤井 太洋早川書房Amazonまだ読んでなかったんかーいと突っ込まれそうな2017年刊行の文庫ですが、ようやく読みました。藤井太洋初の短編集とのこと。でもこれ、表題作「公正的戦闘規範」の舞台は2024年なんですよ。つま…

なかむらあゆみ編『巣 徳島SFアンソロジー』を読みました

ayumishobo.base.shop 「そっとふみはずす」=「SF」がテーマと聞いて、発売前から楽しみにしていた徳島SFアンソロジーを読み終えました。Kaguya Books印ではあるものの、かぐやさんがこれまで刊行してきたSFアンソロジーとはまったく違う雰囲気であることが…

ヘレン・ンゴ『人種差別の習慣 人種化された身体の現象学』(小手川正二郎/酒井麻依子/野々村伊純 訳)を読みました

人種差別の習慣: 人種化された身体の現象学作者:ヘレン・ンゴ青土社Amazon新宿紀伊國屋書店でたまたま見つけて読んだ本ですが、非常に良かった。私が今すごく読みたい内容の本だったので、なるべく積まずに読み始めました。四つの章に分かれていて、週末に一…