好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

アンソロジー

なかむらあゆみ編『巣 徳島SFアンソロジー』を読みました

ayumishobo.base.shop 「そっとふみはずす」=「SF」がテーマと聞いて、発売前から楽しみにしていた徳島SFアンソロジーを読み終えました。Kaguya Books印ではあるものの、かぐやさんがこれまで刊行してきたSFアンソロジーとはまったく違う雰囲気であることが…

週末翻訳クラブ バベルうお『BABELZINE vol.3』と白川眞「ラビット・テストと中絶をめぐるSF」を読みました

babeluo.com2023年5月に発売されていた翻訳サークルバベルうおさんの『BABELZINE vol.3』を読みました。5月に東京で開催された文学フリマで新刊として出ていたのを知っていたのですが……出遅れて入手叶わず……11月の文学フリマ東京でようやっと手に入れること…

『中国女性SF作家アンソロジー 走る赤』を読みました

中国女性SF作家アンソロジー-走る赤 (単行本)作者:中央公論新社Amazon2022年の春に中央公論新社から刊行された中国女性SF作家アンソロジーを、先日ようやく読みました。えっ、めっちゃ面白いんだけど、えっ! という嬉しい驚きに満ちたアンソロジーで、大満…

翻訳ペンギン『翻訳編吟 13』を読みました

2023年11月11日(土)の文学フリマ東京37にて入手した『翻訳編吟13』を読み終えました。 『翻訳編吟』シリーズは海外小説の翻訳アンソロジーで、毎回文学フリマに行くたびに新刊を買っています。私が持っているのは11号からなのですが、残念ながら次号で終了と…

ねじれ双角錐群『よだつ』を読みました

nsoukakusuigun.booth.pm2023年11月11日(土)に行われた文学フリマ東京37にて入手した、文芸同人・ねじれ双角錐群によるアンソロジー『よだつ』を読みました。ねじれ双角錐群さんはテーマを掲げたアンソロジーをほぼ毎年刊行されていて、毎回楽しみにしていま…

能仲謙次榛見あきる武見倉森揚羽はな菊地和広渡邉清文稲田一声『トランジ 死者と再会する物語』を読みました

2023年5月に開催された「文学フリマ東京36」にて購入したアンソロジー『トランジ 死者と再会する物語』を読みました。やべぇの読んでしまった、と慄いている。これだから文フリは……!同人誌なのでISBNはなく、2023/6/17現在では通販もしていないようです。参…

翻訳ペンギン『翻訳編吟 12』を読みました

2023年春に開催された文学フリマ東京36で入手した、翻訳サークル「翻訳ペンギン」さんの『翻訳編吟 12』を読みました。 2022年秋の文学フリマ東京で初めて入手して、面白かったので今回も買った翻訳アンソロジーです。今回は全8編が収められていました。内訳…

井上彼方 編『生物SFアンソロジー なまものの方舟/方舟のかおぶれ』を読みました

2023年5月に開催された「文学フリマ東京36」にて入手した生物SFアンソロジー『なまものの方舟/方舟のかおぶれ』を読みました。 編者は『新月』の編者でもある井上彼方さんなので、まず間違いなく私好みであることは信じていた。それに生物SFは好きなので、…

『RIKKA ZINE vol.1 SHIPPING』を読みました

rikka-zine.com2022年11月に東京で開催された文学フリマにて入手した国内外SF・ファンタジーのZINE『RIKKA ZINE』を読み終えました。 2010年代海外SF傑作選などを手掛ける橋本輝幸さん責任編集とあらば、きっと面白いに違いない!ということで迷わず入手した…

翻訳ペンギン『翻訳編吟 11』を読みました

2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した『翻訳編吟 11』を読みました。 編吟と書いて「ペンギン」と読むようです。著作権の切れた作品の翻訳を行っているサークルさんで、前々から気にはなっていたものの、購入は初です。 ホームページが…

ねじれ双角錐群『故障かなと思ったら』を読みました

nsoukakusuigun.booth.pm2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した、文芸同人・ねじれ双角錐群によるSFアンソロジーです。 ねじれ双角錐群さんは以前の文学フリマで発売前から噂になっていた『来たるべき因習』を読んでから、毎回チェック…

工作舎 編『最後に殘るのは本』を読みました

最後に残るのは本工作舎Amazon工作舎50周年記念出版、本にまつわるエッセイ集です。帯には「67人の書物随想録」「ようこそ、書物の迷宮へ」と書かれていて、その帯の紙質といいフォントといい、本体の装幀の美しさといい、もうニヤニヤが止まらず素通りなん…

西崎憲・編『移動図書館の子供たち』を読みました

kaze no tanbun 移動図書館の子供たち作者:我妻 俊樹,円城 塔,大前 粟生,勝山 海百合,木下 古栗,古谷田 奈月,斎藤 真理子,西崎 憲,乘金 顕斗,伴名 練,藤野 可織,星野 智幸,松永 美穂,水原 涼,宮内 悠介,柳原 孝敦柏書房Amazon<kaze no tanbun>シリーズ第二…

橋本輝幸 編『2010年代海外SF傑作選』を読みました

2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア:…

橋本輝幸 編『2000年代海外SF傑作選』を読みました

2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者:エレン クレイジャズ,ハンヌ ライアニエミ,ダリル グレゴリイ,劉 慈欣,コリイ ドクトロウ,チャールズ ストロス,N・K ジェミシン,グレッグ イーガン,アレステア レナルズ発売日: 2020/11/19メディア: 文庫2020年が…

ねじれ双角錐群『来たるべき因習』を読みました

https://nejiresoukakusuigun.tumblr.com/post/632304404947681280/%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E5%9B%A0%E7%BF%92-strange-festival-speculative-fictionnejiresoukakusuigun.tumblr.com2020年秋の文学フリマで手に入れた一冊を読み終え…

グローバルエリート『WORK マンモス大合成』を読みました

globalelite.black2020年は地球レベルでいろいろありましたが、私にとっては「初めて文フリに行った年」でもありました。文フリ=文学フリマ。ずっと気になってはいたのですが行ったことは無く、しかし今回売り子のお手伝いをする機会を得て遂にデビューしま…

『銀河英雄伝説列伝1 晴れあがる銀河』を読みました

銀河英雄伝説列伝1 (晴れあがる銀河) (創元SF文庫)作者:石持 浅海,太田 忠司,小川 一水,小前 亮,高島 雄哉,藤井 太洋発売日: 2020/10/30メディア: 文庫銀河英雄伝説(以下、銀英伝)の新刊が出ると知ったのはTwitter上でした。それは公式トリビュートであり…

『シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選』を読みました

シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選 (竹書房文庫)発売日: 2020/09/30メディア: 文庫シェルドン・テイテルバウム&エマヌエル・ロテムの編集によるイスラエルSFアンソロジーの翻訳です。訳者は中村融、安野玲、市田泉、植草昌実、山岸真、山田順子。 …

田中美穂 編『胞子文学名作選』を読みました

胞子文学名作選作者:田中 美穂発売日: 2013/09/20メディア: 単行本やばい本を手に入れてしまった。実は先日、倉敷に行ってきました。一人旅で、唐突に思い立って。 旅行には当然本を持っていくわけですが、この旅行では手持ちの本が思った以上に進んでしまっ…

立原透耶 編『時のきざはし 現代中華SF傑作選』を読みました

時のきざはし 現代中華SF傑作選作者:江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,黄海,梁清散,凌晨,双翅目,韓松,吴霜,潘海天,飛氘,靚霊,滕野発売日: 2020/06/26メディア: 大型本 7月に出ていた中華SF傑作選をようやく読みました。 いやこれ何が凄いって、全17…

大森望・編『ベストSF 2020』を読みました

べストSF2020 (竹書房文庫)発売日: 2020/07/30メディア: 文庫創元SF文庫から毎年刊行されていた『年刊日本SF傑作選』が2019年、全12巻で幕を閉じました。 そして本書が、その後継となるシリーズの第一巻です。ベストSFとして収められているのは日本SFの短編…

翻訳小説同人誌『BABELZINE 1』を読みました

booth.pm未邦訳翻訳小説11篇+評論で構成された同人誌です。記念すべき創刊号。Twitterで見かけて、面白そうだったので買いました。買ってよかった。 作り手は「週末翻訳クラブ・バベルうお」という、8名から成るサークル。サークルについては下記リンクのイ…

南條竹則・編訳『英国怪談珠玉集』を読みました。

英国怪談珠玉集発売日: 2018/07/23メディア: 大型本久しぶりのブログ更新ですね。 ブログも書かずに何してたかっていうと、引きこもり生活をしていたわけですが、それで読書量がぐんと増えるわけではないのでした。むしろ美術館行けなくなって「行ってきまし…

『世界文学アンソロジー いまからはじめる』を読みました

世界文学アンソロジー: いまからはじめる発売日: 2019/07/19メディア: 単行本とある縁があって、『世界文学アンソロジー』を紹介いただき、読みました。 2019年7月に刊行された、生きた世界文学を集めたアンソロジーです。編者は東大の大学院出身の教授・准…

『文学ムック たべるのがおそい』vol.1 を読みました

文学ムック たべるのがおそい vol.1作者:穂村 弘,今村 夏子,ケリー ルース,円城 塔,大森 静佳,木下 龍也,日下 三蔵,佐藤 弓生,瀧井 朝世,米光 一成,藤野 可織,イ シンジョ,西崎 憲,堂園 昌彦,服部 真里子,平岡 直子発売日: 2016/04/15メディア: 単行本(ソフ…

西崎憲・編『特別ではない一日』を読みました

kaze no tanbun 特別ではない一日作者:我妻俊樹,上田岳弘,円城塔,岡屋出海,小山田浩子,勝山海百合,岸本佐知子,柴崎友香,高山羽根子,滝口悠生,谷崎由依,西崎憲,日和聡子,藤野可織,水原涼,皆川博子,山尾悠子発売日: 2019/10/28メディア: 単行本 短編集ならぬ「…

野﨑まど・大森望編『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』を読みました

誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)発売日: 2017/04/06メディア: 文庫2017年4月に放送されたアニメ『正解するカド』とはほとんど関係のない、国内外のファーストコンタクトSFアンソロジーです。私は『正解するカド』は観…

『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』を読みました

アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2019/06/20メディア: 文庫SFマガジンが入手できないという前代未聞の事態を巻き起こした百合SF。個人的には興味がなかったのでスルーしていたのですが、小川一水が本書に短編を書き下ろし…