好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

歴史

セレン・チャリントン=ホリンズ『世界の奇食の歴史 人はなぜそれを食べずにはいられなかったのか』(阿部将大 訳)を読みました

世界の奇食の歴史:人はなぜそれを食べずにはいられなかったのか作者:セレン・チャリントン=ホリンズ原書房Amazonちょっと変わったジャンルの歴史本が好きなので、この本は発売当初からチェックしていました。書店に並んだのを買いに行ったらカバーの紙質が…

『人文学のレッスン 文学・芸術・歴史』を読みました

www.suiseisha.net信頼の水声社から2022年2月に刊行されていた人文学の本です。武蔵大学の人文学部の先生方が多く執筆されていて、大学の講義をちょこっとだけ聴講するような気分で一日一項目ずつ読んでいました。「人文学」がカバーする範囲はめちゃくちゃ…

東京国立博物館『国宝 鳥獣戯画のすべて』に行ってきました

chojugiga2020.exhibit.jpすでに会期が終ってしまった展覧会の感想となってしまい恐縮ですが、先月半ばに久々に博物館に行ってきたので、未来の自分のために記事にのこしておくことにします。友人が誘ってくれて、半年以上ぶりに展覧会に行きました。やっぱ…

松本清張『昭和史発掘 13』を読みました

ノンフィクションシリーズ『昭和史発掘』、全13巻の最終巻を読み終わりました! 父親のお下がりの古い版で、主にお風呂の中でちょっとずつ読み進めていました。ブログ記事を確認したら、1巻の感想は2020年3月15日にアップしているので、ちょうど一年お付き合…

映画『DAU. ナターシャ』を観てきました

www.transformer.co.jp2021年に初めて映画館で観た映画となりました。監督はロシアのイリヤ・フルジャノフスキー、舞台は1952年のソ連。 ソ連時代の某研究施設での話なのですが、出演する人々が「ソ連時代を完全に再現したセットで2年間生活」するプロジェク…

松本清張『昭和史発掘 12』を読みました

ノンフィクションシリーズ『昭和史発掘』、12巻を読み終わりました。父親のお下がりの古い版でISBNがついていないので、リンクは無しです。12巻は、11巻で蹶起部隊が撤退した後の話になります。彼らがどのような処分を受けるのか、というところ。内容は以下…

松本清張『昭和史発掘 11』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』11巻を読み終わりました。ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うので、リンクは無しで。10巻でついに決行されてしまった二・二六事件、11巻では蹶起部隊の撤退の様子が描かれます。二・二…

松本清張『昭和史発掘 10』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』10巻を読み終わりました。ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うので、リンクは貼っていません。さて10巻なのですが、とうとう二・二六事件決行の朝にたどり着きました。 内容は以下の通り…

映画『アウステルリッツ』を観てきました

www.sunny-film.comセルゲイ・ロズニツァ監督のドキュメンタリー映画三選<群衆>、最後に残していた『アウステルリッツ』をついに観てきました。 <群衆>のうち、『国葬』と『粛清裁判』はソ連のスターリンに関するアーカイヴァル映画ですが、『アウステル…

映画『粛清裁判』を観てきました

www.sunny-film.comセルゲイ・ロズニツァ監督のドキュメンタリー映画三作が、<群衆>と題して公開されています。そのうちの一つ、『粛清裁判』(2018)を観てきました。 先日『国葬』(2019)の感想をアップしましたが、同じくソビエト連邦のスターリン時代の話…

松本清張『昭和史発掘 9』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』9巻を読み終わりました。 ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うのでリンクは無しとなっています。7巻からずっと二・二六事件に向かって突き進んでいってるのですが、ついに9巻で昭和11(19…

映画『国葬』を観てきました

www.sunny-film.com『セルゲイ・ロズニツァ<群衆>ドキュメンタリー3選』と銘打たれた3作品のひとつ、『国葬』を観てきました。3選の他の2つは『粛清裁判』と『アウステルリッツ』ですが、こちらは未鑑賞。 セルゲイ・ロズニツァという名前は全然知らなかっ…

松本清張『昭和史発掘 8』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』も8巻となりました。 ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うのでリンクは無しとなっています。7巻に続き、8巻も2本立てでした。二・二六事件 二 「相沢公判」 「北、西田と青年将校運動」…

ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』(高橋啓 訳)を読みました

言語の七番目の機能 (海外文学セレクション)作者:ローラン・ビネ発売日: 2020/09/24メディア: 単行本この本の刊行予定が噂された半年ほど前からずっと待っていました。ローラン・ビネの新刊です。嬉しい! ありがとうございます! 前作『HHhH』を読んでから…

映画『異端の鳥』を観てきました

www.transformer.co.jpSFマガジン6月号で紹介されていたのを読んでからずっと公開を待っていた『異端の鳥』、ようやく公開されたので行ってきました。非常に良い映画だったので観て良かったけれど、万人受けする映画ではないのでなんともお勧めし難いところ…

松本清張『昭和史発掘 7』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』、いよいよ7巻です。 ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うのでリンクは無しとなっています。 前の巻からずっと二・二六事件の単語がちらついているのですが、この巻でもまだその日にはた…

ユーディット・シャランスキー『失われたいくつかの物の目録』を読みました

失われたいくつかの物の目録作者:ユーディット・シャランスキー発売日: 2020/03/26メディア: 単行本こんな本が出たよ、と教えてもらって調べたら「あ、はい、私好みです」ってなったので迷わず買いました。訳は細井直子さん。とても好きなタイプの本。 帯に…

松本清張『昭和史発掘 6』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』もついに6巻まで来ました。 ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うのでリンクは無し。このくらいまで進んでくると、松本清張がこれからどういうことを書こうとしているのかがわかってきま…

松本清張『昭和史発掘 5』を読みました

文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』5巻を読み終えました。 ISBNなし、amazonの新版は収録内容が違うのでリンクは無しです。旧版5巻の内容は以下の通り。・スパイ"M"の謀略 ・小林多喜二の死これまでずっと三本立てだったのですが、ここで初の二本…

ギョーム・ド・ベルティエ・ド・ソヴィニー『フランス史』を読みました

フランス史 (講談社選書メチエ)作者:ギヨーム・ド・ベルティエ・ド・ソヴィニー発売日: 2019/04/12メディア: 単行本(ソフトカバー)最近ずっとブログを書いていなかったことについては、自分でも気になっていました。単純に、読み終えた本がなくて書けなか…

松本清張『昭和史発掘 4』を読みました

分厚い本を読んでいる中、せっせと読み進めているのが松本清張の『昭和史発掘シリーズ』です。4巻まで読了。 これまで文春文庫新装版のリンクを記事冒頭に貼っていたのですが、新装版だと巻数と中身がズレることに気付いたのでリンク張るのは止めます。 第4…

『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』を読みました

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)作者:良一, 戸部,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎発売日: 1991/08/01メディア: 文庫読もうと思って買ってはいたのですが、長らく積んでいた本のひとつです(こういうのばっかり)。 しか…

松本清張『昭和史発掘 3』を読みました

新装版 昭和史発掘 (3) (文春文庫)作者:松本 清張発売日: 2005/05/10メディア: 文庫松本清張の昭和史本、第3巻を読み終えました。ちなみに2巻の感想はこちらからどうぞ。 上の写真は新装版ですが、私の手元にあるのはISBNついてない時代のものなので、記事中…

松本清張『昭和史発掘 2』を読みました

新装版 昭和史発掘 (2) (文春文庫)作者:松本 清張発売日: 2005/04/08メディア: 文庫松本清張の昭和史本その2です。1はこちら。 うちにあるのは父のお古で、ISBNついてない時代のものですが、上の写真は新装版です。1巻に続き、2巻も三本立てとなっておりまし…

フィリップ・ウィルキンソン『まぼろしの奇想建築』を読みました

まぼろしの奇想建築 天才が夢みた不可能な挑戦 (NATIONAL GEOGRAPHIC)作者:フィリップ・ウィルキンソン発売日: 2018/09/06メディア: 単行本外出を控えているので家にいる時間が長い今日この頃、持ち歩くにはちょっと重い本を今こそ読むべし!と思って、積ん…

クリストファー・R・ブラウニング『増補 普通の人びと』を読みました

増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))作者:クリストファー・R・ブラウニング発売日: 2019/05/10メディア: 文庫去年出たときに名著の気配を感じて買っておいた本です。買っておいたはいいものの、気が滅入るだろう…

鹿島茂『19世紀パリ・イマジネール 馬車が買いたい!』を読みました

馬車が買いたい!―19世紀パリ・イマジネール作者:鹿島 茂メディア: ハードカバー最後の渋谷大古本市で手に入れました。ずっと読みたかった本です!雑誌『ふらんす』に連載していたものをまとめたものとのことで、安心の白水社刊。フランスと言えば白水社。そ…

松本清張『昭和史発掘 1』を読みました

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)作者:松本 清張発売日: 2005/03/10メディア: 文庫実家の引っ越しに伴い、父親から貰った本の山の中に含まれていた一冊です。多分シリーズ全部揃っているはず。上のリンクは新装版ですが、うちにあるのはISBNついてない版で…

ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン『若い読者のためのアメリカ史』を読みました

若い読者のためのアメリカ史 (Yale University Press Little Histories)作者:ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン出版社/メーカー: すばる舎発売日: 2018/12/22メディア: 単行本私がはたして「若い読者」の範疇に入るかどうかは触れないことにする。 アメ…

紀平英作・編『アメリカ史(下)』を読みました

アメリカ史 下 (YAMAKAWA SELECTION)作者:出版社/メーカー: 山川出版社発売日: 2019/08/02メディア: 単行本(ソフトカバー)『アメリカ史(上)』に続き、下巻を読み終わりました。下巻は1897年からトランプ大統領までをカバーしています。20世紀のアメリカが…