好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

評論

週末翻訳クラブ バベルうお『BABELZINE vol.3』と白川眞「ラビット・テストと中絶をめぐるSF」を読みました

babeluo.com2023年5月に発売されていた翻訳サークルバベルうおさんの『BABELZINE vol.3』を読みました。5月に東京で開催された文学フリマで新刊として出ていたのを知っていたのですが……出遅れて入手叶わず……11月の文学フリマ東京でようやっと手に入れること…

トマス・M・ディッシュ『SFの気恥ずかしさ』(浅倉久志・小島はな 訳)を読みました

SFの気恥ずかしさ作者:トマス・M・ディッシュ国書刊行会Amazonこのブログを書く前に、告白しておきますが、私、ディッシュの小説を読んだことがないです。 『いさましいちびのトースター』を名前だけ知っているけど、読んだことはないです。それでもこの本は…

『RIKKA ZINE vol.1 SHIPPING』を読みました

rikka-zine.com2022年11月に東京で開催された文学フリマにて入手した国内外SF・ファンタジーのZINE『RIKKA ZINE』を読み終えました。 2010年代海外SF傑作選などを手掛ける橋本輝幸さん責任編集とあらば、きっと面白いに違いない!ということで迷わず入手した…

『人文学のレッスン 文学・芸術・歴史』を読みました

www.suiseisha.net信頼の水声社から2022年2月に刊行されていた人文学の本です。武蔵大学の人文学部の先生方が多く執筆されていて、大学の講義をちょこっとだけ聴講するような気分で一日一項目ずつ読んでいました。「人文学」がカバーする範囲はめちゃくちゃ…

現代思想 2020年10月臨時増刊号『総特集 ブラック・ライヴズ・マター』を読みました

現代思想 2020年10月臨時増刊号 総特集◎ブラック・ライヴズ・マター作者:大和田俊之,磯部涼,檀廬影,有光道生,和泉真澄青土社Amazon2020年10月に臨時増刊号として店頭に並んだ現代思想の「ブラック・ライヴズ・マター」特集。装幀が格好いいなと思ったら、川…

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな 新装版』を読みました

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉作者:管 啓次郎発売日: 2011/05/31メディア: 単行本(ソフトカバー)2020年の終わりを締めくくる記事が、とても素敵な本の感想となることを嬉しく思います。詩人であり人類学者であり翻訳家であり、な管啓次郎の…

梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』を読みました

幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書)作者:懐, 梶谷,康太, 高口発売日: 2019/08/10メディア: 新書2019年8月に刊行された新書です。某所のビブリオバトルで紹介されて知り、ずっと読みたかったのですがいろいろあってこんな時期になってしまった。コロナ禍前の…

現代思想 2020年8月号『コロナと暮らし――対策の現場から』を読みました

現代思想 2020年8月号 特集=コロナと暮らし――対策の現場から――作者:J・バトラー,A・ネグリ,藤井誠一郎,川口有美子,美馬達哉発売日: 2020/07/28メディア: ムック現代思想 2020年6月号が面白かったので、それ以降毎号買って読んでいます。8月号の特集は「コロ…

翻訳小説同人誌『BABELZINE 1』を読みました

booth.pm未邦訳翻訳小説11篇+評論で構成された同人誌です。記念すべき創刊号。Twitterで見かけて、面白そうだったので買いました。買ってよかった。 作り手は「週末翻訳クラブ・バベルうお」という、8名から成るサークル。サークルについては下記リンクのイ…

現代思想 2020年6月号『汎心論――21世紀の心の哲学』を読みました

現代思想 2020年6月号 特集=汎心論 ―21世紀の心の哲学―作者:永井均,高村夏輝,鈴木貴之発売日: 2020/05/28メディア: ムック普段このブログに雑誌の感想を書くことはないのですが、とても面白かったので書いておく。とはいえ素人の感想なので、もしかしたら著…

中村妙子『アガサ・クリスティ―の真実』を読みました

======================= 『アガサ・クリスティーの真実』 作者:中村妙子 出版社:新教出版社 発売日:1986年2月25日 メディア:単行本 =======================アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』の訳者である中村妙子さんによるクリスティ本です…

トーマス・C・フォスター『大学教授のように小説を読む方法 増補新版』を読みました

大学教授のように小説を読む方法[増補新版]作者: トーマス・C・フォスター,矢倉尚子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2019/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る書店で見かけて「これは絶対自分好みだ」という確信を得たので、値…

東秀紀『アガサ・クリスティ―の大英帝国 名作ミステリと「観光」の時代』を読みました

アガサ・クリスティーの大英帝国: 名作ミステリと「観光」の時代 (筑摩選書)作者: 東秀紀出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/05/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見るクリスティの『春にして君を離れ』の読書会準備のた…

木村陽子『安部公房とはだれか』を読みました

安部公房とはだれか作者: 木村陽子出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2013/05/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る読書会で『砂の女』をやるにあたっての参考資料として読んだのですが、非常に面白い安部公房論でした。とてもすばらしい。 …

安部ねり『安部公房伝』を読みました

安部公房伝作者: 安部ねり出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/03/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (17件) を見る安部公房の代表作『砂の女』の読書会をするにあたっての参考資料として読みました。2011年に刊行された、安…

江川卓『謎とき『カラマーゾフの兄弟』』を読みました

謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)作者: 江川卓出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1991/06/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 17回この商品を含むブログ (21件) を見る集英社の世界文学全集所収の『カラマーゾフの兄弟』訳者による評論です。最初…

高野史緒『ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』――スメルジャコフは犯人か?』を読みました

ミステリとしての『カラマーゾフの兄弟』―スメルジャコフは犯人か? (ユーラシアブックレット)作者: 高野史緒,ユーラシア研究所ブックレット編集委員会出版社/メーカー: 東洋書店発売日: 2013/05/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見るパンフ…

ウオルィンスキイ『カラマーゾフの王国―ドストエフスキイ『カラマーゾフの兄弟』研究―』を読みました

カラマーゾフの王国作者: A・L・ウオルインスキイ,川崎浹出版社/メーカー: みすず書房メディア: 単行本この商品を含むブログを見る1909年刊行の、当時のロシア人によるカラマーゾフ論です。日本語訳は1974年、みすず書房から。古い本だから書影が出ない悲し…

亀山郁夫『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』を読みました

『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)作者: 亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/09メディア: 新書購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (49件) を見る21世紀初頭に突如カラマーゾフブームを巻き起こした光文社新訳文庫での…

辻原登『辻原登の「カラマーゾフ」新論』を読みました

辻原登の「カラマーゾフ」新論 ドストエフスキー連続講義作者: 辻原登出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/02/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』読書会のための資料として図書館で借り…