好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな 新装版』を読みました

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉作者:管 啓次郎発売日: 2011/05/31メディア: 単行本(ソフトカバー)2020年の終わりを締めくくる記事が、とても素敵な本の感想となることを嬉しく思います。詩人であり人類学者であり翻訳家であり、な管啓次郎の…

ラヴィ・ティドハー『金星は花に満ちて』を読みました

www.hal-con.net日本のSF界には、はるこんという行事があります。春に行われるコンベンションだから、はるこん。ゲスト・オブ・オナーとして海外作家を招いたり、ディーラーズルームで即売会をしたりというお祭り……なのですが、実は行ったことがありません。…

川野芽生『Lilith』を読みました

Lilith作者:川野芽生発売日: 2020/09/26メディア: 単行本正直なところ、読みました、というほど読めてはいないだろうと思う。 Lilith(リリス)は川野芽生のはじめての歌集で、Twitterで流れて来たためにその存在を知ることができました。 私は日頃から詩や…

アリス・テイラー『窓辺のキャンドル アイルランドのクリスマス節』(高橋歩 訳)を読みました

窓辺のキャンドル アイルランドのクリスマス節作者:アリス・テイラー発売日: 2018/12/07メディア: 単行本アイルランドの人気作家であるアリス・テイラー、初めて読みました。2019年の神保町まつりで手に入れたのですが、去年は読みそびれていて、今年ようや…

酉島伝法『るん(笑)』を読みました

るん(笑)作者:酉島 伝法発売日: 2020/11/26メディア: 単行本酉島伝法の新刊とあらば買わないわけがない。しかし言霊が強くてしんどかったので、休み休み読みました。 もともと酉島伝法の本はすらすら読めるものではないのだけれど、今回は特に、じりじりとに…

グローバルエリート『WORK マンモス大合成』を読みました

globalelite.black2020年は地球レベルでいろいろありましたが、私にとっては「初めて文フリに行った年」でもありました。文フリ=文学フリマ。ずっと気になってはいたのですが行ったことは無く、しかし今回売り子のお手伝いをする機会を得て遂にデビューしま…

『銀河英雄伝説列伝1 晴れあがる銀河』を読みました

銀河英雄伝説列伝1 (晴れあがる銀河) (創元SF文庫)作者:石持 浅海,太田 忠司,小川 一水,小前 亮,高島 雄哉,藤井 太洋発売日: 2020/10/30メディア: 文庫銀河英雄伝説(以下、銀英伝)の新刊が出ると知ったのはTwitter上でした。それは公式トリビュートであり…

「2022年の『ユリシーズ』」の読書会(第九回:第九挿話)に参加しました

www.stephens-workshop.com毎度お馴染みとなってきましたが、「2022年の『ユリシーズ』」の読書会、第九回に参加しました。2020年12月6日午後にzoomにて開催されたものです。2019年に始まったこの読書会は『ユリシーズ』刊行100周年である2022年まで、3年か…

松本清張『昭和史発掘 10』を読みました

父親のお下がりの文春文庫の古い版で読んでいる『昭和史発掘』10巻を読み終わりました。ISBNがついていなくて、新版は収録内容が違うので、リンクは貼っていません。さて10巻なのですが、とうとう二・二六事件決行の朝にたどり着きました。 内容は以下の通り…

原美術館「光―呼吸 時をすくう5人」に行ってきました

www.haramuseum.or.jpもともと2020年春の展示予定だったものが、コロナの影響で冬になった展覧会です。 原美術館は、元邸宅として使われていたモダニズム建築の建物が有名で、ずっと気になっていました。しかし普段あまり現代美術を観ることがないので、ずっ…

『シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選』を読みました

シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選 (竹書房文庫)発売日: 2020/09/30メディア: 文庫シェルドン・テイテルバウム&エマヌエル・ロテムの編集によるイスラエルSFアンソロジーの翻訳です。訳者は中村融、安野玲、市田泉、植草昌実、山岸真、山田順子。 …

ウィル・ハント『地下世界をめぐる冒険 闇に隠された人類史』(棚橋志行 訳)を読みました

地下世界をめぐる冒険——闇に隠された人類史 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-12)作者:ウィル・ハント発売日: 2020/08/26メディア: 単行本いつもノンフィクションが面白い亜紀書房から刊行された本で、本屋に並んだ頃から絶対好きなやつでしょこ…