好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

幻想文学

翻訳ペンギン『翻訳編吟 12』を読みました

2023年春に開催された文学フリマ東京36で入手した、翻訳サークル「翻訳ペンギン」さんの『翻訳編吟 12』を読みました。 2022年秋の文学フリマ東京で初めて入手して、面白かったので今回も買った翻訳アンソロジーです。今回は全8編が収められていました。内訳…

翻訳ペンギン『翻訳編吟 11』を読みました

2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した『翻訳編吟 11』を読みました。 編吟と書いて「ペンギン」と読むようです。著作権の切れた作品の翻訳を行っているサークルさんで、前々から気にはなっていたものの、購入は初です。 ホームページが…

ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』(水野忠夫 訳)を読みました

巨匠とマルガリータ(上) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon実は結構前に読み終わっていたんですが、ずっと記事を書きそびれていました。めちゃくちゃ面白くて夢中で読んだも…

山尾悠子『山の人魚と虚ろの王』を読みました

山の人魚と虚ろの王作者:山尾悠子発売日: 2021/02/27メディア: 単行本『飛ぶ孔雀』で初めて山尾悠子を知って恋に落ちる勢いで好きになり、今回の新刊も喜び勇んで買いました。函入りで美しい装丁はさすが国書刊行会、気合入ってる! 寝る前に少しずつ読んで…

ねじれ双角錐群『来たるべき因習』を読みました

https://nejiresoukakusuigun.tumblr.com/post/632304404947681280/%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E5%9B%A0%E7%BF%92-strange-festival-speculative-fictionnejiresoukakusuigun.tumblr.com2020年秋の文学フリマで手に入れた一冊を読み終え…

田中美穂 編『胞子文学名作選』を読みました

胞子文学名作選作者:田中 美穂発売日: 2013/09/20メディア: 単行本やばい本を手に入れてしまった。実は先日、倉敷に行ってきました。一人旅で、唐突に思い立って。 旅行には当然本を持っていくわけですが、この旅行では手持ちの本が思った以上に進んでしまっ…

石川宗生『ホテル・アルカディア』を読みました

ホテル・アルカディア作者:石川 宗生発売日: 2020/03/26メディア: 単行本『ベストSF 2020』に収められていた石川宗生の『恥辱』がめっちゃ好みだったので買いました。『恥辱』も入った短編集、なのですが、一冊で一つの世界を構成しています。すべてはプルデ…

グカ・ハン『砂漠が街に入りこんだ日』(原正人 訳)を読みました

砂漠が街に入りこんだ日作者:グカ・ハン発売日: 2020/08/01メディア: 単行本『82年生まれ、キム・ジヨン』のヒット後、日本でも現代韓国作家の本が次々と刊行されるようになりました。が、なんとなく読むタイミングを逸し続けていて、読まずにここまで来てし…

藤野可織『来世の記憶』を読みました

来世の記憶作者:藤野 可織発売日: 2020/07/10メディア: 単行本藤野可織は私の推し作家です。彼女の作品は読むたびにくらくらする。 書店の日本人作家の単行本コーナーは広すぎていつもほとんど新刊チェックできていなくて、この本が出ていたこともしばらく経…

翻訳小説同人誌『BABELZINE 1』を読みました

booth.pm未邦訳翻訳小説11篇+評論で構成された同人誌です。記念すべき創刊号。Twitterで見かけて、面白そうだったので買いました。買ってよかった。 作り手は「週末翻訳クラブ・バベルうお」という、8名から成るサークル。サークルについては下記リンクのイ…

西崎憲『未知の鳥類がやってくるまで』を読みました

未知の鳥類がやってくるまで (単行本)作者:西崎 憲発売日: 2020/03/27メディア: 単行本(ソフトカバー)短文集『特別ではない一日』を読んでから密かにチェックしていた西崎憲の、彼自身の著作がこの春に刊行されました。帯によれば8年ぶりとのこと。ずっと…

シャルル・バルバラ『蝶を飼う男 シャルル・バルバラ幻想作品集』を読みました

蝶を飼う男:シャルル・バルバラ幻想作品集作者:シャルル・バルバラ発売日: 2019/08/24メディア: 単行本2019年に刊行された、5編の小説が収められた短編集です。とはいえ実際には、中編も含まれていた。 綺麗な表紙を表にして本棚に飾っていたのですが、最近…

『夜想#中川多理――物語の中の少女』を読みました

夜想#中川多理: 物語の中の少女発売日: 2018/05/31メディア: 単行本雑誌「夜想」の特別号として刊行された、人形作家・中川多理の写真集です。 パラボリカ・ビスで開催していた展覧会を観に行ったときに買ったサイン本。カバーがガーゼになっていて、とても…

南條竹則・編訳『英国怪談珠玉集』を読みました。

英国怪談珠玉集発売日: 2018/07/23メディア: 大型本久しぶりのブログ更新ですね。 ブログも書かずに何してたかっていうと、引きこもり生活をしていたわけですが、それで読書量がぐんと増えるわけではないのでした。むしろ美術館行けなくなって「行ってきまし…

エリック・マコーマック『雲』を読みました

雲 (海外文学セレクション)作者:エリック・マコーマック発売日: 2019/12/20メディア: 単行本前評判が良かったので刊行前から気になっていた本です。昨年末に刊行されて本屋でぱらっと見た時にきっと好みだという確信を得てすぐに買ったものの、しばらく忙し…

パラボリカ・ビス「山尾悠子+中川多理『翼と宝冠』展」に行ってきました

www.yaso-peyotl.com東京・浅草橋にあるパラボリカ・ビスで開催している中川多理の人形の展示会に行ってきました。山尾悠子の文章と中川多理の人形のコラボ本『小鳥たち』に登場する「小鳥の侍女たち」をテーマにした展示会です。山尾悠子は『飛ぶ孔雀』を読…

山尾悠子・中川多理『小鳥たち』を読みました

小鳥たち作者: 山尾悠子,中川多理出版社/メーカー: ステュディオ・パラボリカ発売日: 2019/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る読みました。読んでしまいました。読まない状態を楽しみたい気持ちと、読んだ状態を楽しみたい気持ちに引き裂かれ…

ピーター・トレメイン『アイルランド幻想』を読みました

アイルランド幻想 (光文社文庫)作者: ピータートレメイン,Peter Tremayne,甲斐万里江出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (27件) を見る再読本。数年ぶりに読み返したらやっぱり良い本だった…

ギョルゲ・ササルマン『方形の円 偽説・都市生成論』を読みました

方形の円 (偽説・都市生成論) (海外文学セレクション)作者: ギョルゲ・ササルマン,住谷春也出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るカルヴィーノの『見えない都市』をまだ読んでいないのに、ササルマンの…

山尾悠子『歪み真珠』を読みました

歪み真珠 (ちくま文庫)作者: 山尾悠子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2019/03/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『飛ぶ孔雀』で魅せられてからのにわか山尾悠子ファンで、読むのは本作が2作目、初の短編です。山尾悠子は文庫よりも単行本が似合…

ステファン・グラビンスキ『不気味な物語』を読みました

不気味な物語作者: ステファン・グラビンスキ,芝田文乃出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/12/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見るポーランドが誇る恐怖小説作家ステファン・グラビンスキの邦訳最新刊です。2018年12月に刊行されていて、買…

アンナ・スメイル『鐘は歌う』を読みました

鐘は歌う作者: アンナ・スメイル,山田順子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る久々に長編ファンタジーを読みましたが、やっぱりファンタジーは良いですね。 著者は1979年生まれ、本書は原語版が2015年…

ジェフリー・フォード『白い果実』を読みました

白い果実作者: ジェフリーフォード,Jeffrey Ford,山尾悠子,金原瑞人,谷垣暁美出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/08/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 94回この商品を含むブログ (43件) を見るタイトルが長くなるので端折りましたが、金原瑞人と…

高原英理『エイリア綺譚集』を読みました

エイリア綺譚集作者: 高原英理出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書店に並んだ頃には、まだその存在に気付いていませんでした。幻想文学専用の棚がある書店は少なく、私は外国文学棚は熱心に…