小説
続きと始まり作者:柴崎 友香集英社Amazon柴崎友香は、新刊が出たら買う作家のひとりだ。とはいえ好きになったのが少し遅かったので、少し前に出た本は持っていないものも多いのですが、読むたびに毎回とてもしっくりくるので、なるべく揃えるようにしている…
オーグメンテッド・スカイ作者:藤井 太洋文藝春秋AmazonITエンジニアが主人公ではない藤井太洋の小説を、初めて読んだかもしれない。小説の舞台は、鹿児島県立南郷高等学校。この学校の理数科は全国から優秀な若者が集まってくるところで、中でも遠方から入…
女の庭 (集英社文庫)作者:芝木 好子集英社Amazon新刊書店ではほとんど見かけなくなってしまった芝木好子は、古本屋へ行けば文庫の棚に数冊並んでいたり、たまに200円コーナーとかに置かれていたりすることが多い。そのたびに持っていない文庫があれば買って…
公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)作者:藤井 太洋早川書房Amazonまだ読んでなかったんかーいと突っ込まれそうな2017年刊行の文庫ですが、ようやく読みました。藤井太洋初の短編集とのこと。でもこれ、表題作「公正的戦闘規範」の舞台は2024年なんですよ。つま…
ayumishobo.base.shop 「そっとふみはずす」=「SF」がテーマと聞いて、発売前から楽しみにしていた徳島SFアンソロジーを読み終えました。Kaguya Books印ではあるものの、かぐやさんがこれまで刊行してきたSFアンソロジーとはまったく違う雰囲気であることが…
長い物語のためのいくつかの短いお話作者:ロジェ・グルニエ白水社Amazon年が明ける前に、このブログに書いておかなければならないことがある。 それは、2023年にロジェ・グルニエの新刊が出たということだ!!!ロジェ・グルニエは1919年にフランスのノルマ…
babeluo.com2023年5月に発売されていた翻訳サークルバベルうおさんの『BABELZINE vol.3』を読みました。5月に東京で開催された文学フリマで新刊として出ていたのを知っていたのですが……出遅れて入手叶わず……11月の文学フリマ東京でようやっと手に入れること…
中国女性SF作家アンソロジー-走る赤 (単行本)作者:中央公論新社Amazon2022年の春に中央公論新社から刊行された中国女性SF作家アンソロジーを、先日ようやく読みました。えっ、めっちゃ面白いんだけど、えっ! という嬉しい驚きに満ちたアンソロジーで、大満…
2023年11月11日(土)の文学フリマ東京37にて入手した『翻訳編吟13』を読み終えました。 『翻訳編吟』シリーズは海外小説の翻訳アンソロジーで、毎回文学フリマに行くたびに新刊を買っています。私が持っているのは11号からなのですが、残念ながら次号で終了と…
nsoukakusuigun.booth.pm2023年11月11日(土)に行われた文学フリマ東京37にて入手した、文芸同人・ねじれ双角錐群によるアンソロジー『よだつ』を読みました。ねじれ双角錐群さんはテーマを掲げたアンソロジーをほぼ毎年刊行されていて、毎回楽しみにしていま…
黄金蝶を追って (竹書房文庫 あ 13-1)作者:相川 英輔竹書房Amazon書店で見かけて買いました。きれいな表紙だな、というのに惹かれて手に取ったのですが、購入の決め手は裏表紙の帯です。この本に収められた短編のひとつ「ハミングバード」の書き出しが抜粋さ…
virtualgorillaplus.comかぐやSFコンテストは2000字~4000字の短編小説のコンテストで、第3回のテーマは「未来のスポーツ」でした。 最終候補作品は著者名を伏せられた状態で全文公開され、読者投票による読者賞が決定されます。また審査員によって選ばれる…
www.shinchosha.co.jp現代の海外文学を好んで読む人にはお馴染みのレーベル、「新潮クレスト・ブックス」。今日書店に行ったら小冊子が置かれており、25周年であることを知りました。もうそんなに! この間20周年だったばかりなのに! 月日の経つのは早いも…
そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?作者:松波太郎書肆侃侃房Amazonとんでもない本を読んでしまった。『故郷』『イベリア半島に生息する生物』『あカ佐タな』『王国の行方—―二代目の手腕』の四つの作品が収められた短編集で、いずれも音としての…
2023年5月に開催された「文学フリマ東京36」にて購入したアンソロジー『トランジ 死者と再会する物語』を読みました。やべぇの読んでしまった、と慄いている。これだから文フリは……!同人誌なのでISBNはなく、2023/6/17現在では通販もしていないようです。参…
2023年春に開催された文学フリマ東京36で入手した、翻訳サークル「翻訳ペンギン」さんの『翻訳編吟 12』を読みました。 2022年秋の文学フリマ東京で初めて入手して、面白かったので今回も買った翻訳アンソロジーです。今回は全8編が収められていました。内訳…
2023年5月に開催された「文学フリマ東京36」にて入手した生物SFアンソロジー『なまものの方舟/方舟のかおぶれ』を読みました。 編者は『新月』の編者でもある井上彼方さんなので、まず間違いなく私好みであることは信じていた。それに生物SFは好きなので、…
法治の獣 (ハヤカワ文庫JA JAハ 13-1)作者:春暮康一早川書房Amazon去年から仲間うちで「『法治の獣』めっちゃ面白い」という話を何人もがしていて、ずっと気になっていながら読めていなかった一冊。知らない作家さんだなあと思っていたら、2019年にデビュー…
青木きららのちょっとした冒険作者:藤野 可織講談社Amazon藤野可織は新刊が出たら絶対買う作家のひとり。今回も買ってはいたもののしばらく積んでいたのですが、ようやく読むことができました。変わらず素敵な藤野可織ワールドでした。最高。『青木きららの…
rikka-zine.com2022年11月に東京で開催された文学フリマにて入手した国内外SF・ファンタジーのZINE『RIKKA ZINE』を読み終えました。 2010年代海外SF傑作選などを手掛ける橋本輝幸さん責任編集とあらば、きっと面白いに違いない!ということで迷わず入手した…
挾み撃ち (講談社文芸文庫)作者:後藤 明生講談社Amazon後藤明生の名前を知ったのは、2022年6月に刊行された『代わりに読む人創刊準備号』だった。www.kawariniyomuhito.comTwitterで流れてきて興味を持って書店で手にとって、面白そうだったのでそのまま買…
バベットの晩餐会 (ちくま文庫)作者:イサク ディーネセン筑摩書房Amazon前々から噂には聞いていたものの未読であった『バベットの晩餐会』を読みました。表題作と『エーレンガード』の二本立ての短篇集です。ちなみに映画は観ていません。舞台はノルウェーの…
気づいたら大晦日だった。 2022年はこれまでの人生で一番仕事が忙しい年だった。なんかずっと働いていた。なんなら夢の中でも仕事していた。もうやってられーん!転職してやる!と騒いでいた時期もありましたが、いろいろあって今のタイミングでは諦めました…
リャマサーレス短篇集作者:フリオ・リャマサーレス河出書房新社Amazon木村榮一訳のリャマサーレスの短編集が出たと知ったなら、読まないわけがない。 リャマサーレスは1955年生まれのスペインの作家で、『黄色い雨』という長編小説で有名な作家です。しかし…
2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した『翻訳編吟 11』を読みました。 編吟と書いて「ペンギン」と読むようです。著作権の切れた作品の翻訳を行っているサークルさんで、前々から気にはなっていたものの、購入は初です。 ホームページが…
nsoukakusuigun.booth.pm2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した、文芸同人・ねじれ双角錐群によるSFアンソロジーです。 ねじれ双角錐群さんは以前の文学フリマで発売前から噂になっていた『来たるべき因習』を読んでから、毎回チェック…
巨匠とマルガリータ(上) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon実は結構前に読み終わっていたんですが、ずっと記事を書きそびれていました。めちゃくちゃ面白くて夢中で読んだも…
kaze no tanbun 移動図書館の子供たち作者:我妻 俊樹,円城 塔,大前 粟生,勝山 海百合,木下 古栗,古谷田 奈月,斎藤 真理子,西崎 憲,乘金 顕斗,伴名 練,藤野 可織,星野 智幸,松永 美穂,水原 涼,宮内 悠介,柳原 孝敦柏書房Amazon<kaze no tanbun>シリーズ第二…
タタール人の砂漠 (岩波文庫)作者:ブッツァーティ発売日: 2013/04/17メディア: 文庫ずっと本棚に飾っていたブッツァーティの『タタール人の砂漠』を遂に読みました。いろんなところで良い評判を聞いていた小説でした。これが噂の!内容をあまり知らずに読み…
シュペルヴィエル『ノアの方舟』堀口大學訳、青銅社、1977年古本屋でシュペルヴィエルの本を見つけたので、買って読みました。普段はAmazonのリンクを記事冒頭に載せるのですが、ISBNがついていない本だったので、代わりにセルフ書影を掲げておきます。 青銅…