好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

随筆

川野芽生『かわいいピンクの竜になる』を読みました

かわいいピンクの竜になる作者:川野芽生左右社Amazon2024年初買いの本だった一冊。小説に比べるとエッセイはあまり買わないのですが、川野芽生のエッセイは「A is for Asexual」で読んだことがあり、「エッセイ集!? 読まねば!」と思って買ってきたのでし…

高村友也『存在消滅 死の恐怖をめぐる哲学エッセイ』を読みました

半年以上ぶりにブログを更新します。 これまでの人生でもっとも仕事が忙しい一年を送っており、読書量が減ったり外出頻度が減ったりしましたがそろそろ復帰したいところ。 書店の巡回は定期的に行っており、この本も書店でたまたま見かけて買いました。こう…

工作舎 編『最後に殘るのは本』を読みました

最後に残るのは本工作舎Amazon工作舎50周年記念出版、本にまつわるエッセイ集です。帯には「67人の書物随想録」「ようこそ、書物の迷宮へ」と書かれていて、その帯の紙質といいフォントといい、本体の装幀の美しさといい、もうニヤニヤが止まらず素通りなん…

ローレン・アイズリー『星投げびと コスタベルの浜辺から』(千葉茂樹 訳)を読みました

星投げびと―コスタベルの浜辺から作者:ローレン アイズリー発売日: 2001/11/01メディア: 単行本古本屋で工作舎の自然科学系エッセイを見かけたときは、できるだけ買うようにしている。外れがないからだ。 この本も、古本屋で見つけて買った一冊です。著者の…

岸政彦・柴崎友香『大阪』を読みました

大阪作者:岸 政彦,柴崎 友香発売日: 2021/01/27メディア: 単行本 私が生まれたのは大阪市内のとある病院ですが、物心つくまえに引っ越してしまったので、大阪の記憶はない。私にとって大阪というのは、母親が生まれ育った街であり、両親が出会った街であり、…

パティ・スミス『Mトレイン』(管啓次郎 訳)を読みました

Мトレイン作者:パティ・スミス発売日: 2020/11/21メディア: 単行本パティ・スミスの名前は一応知っていましたが、この本は訳者の管啓次郎に惹かれて買いましたが、結果的にパティ・スミスのことも好きになった。 河出書房新社から出ているのですが、装丁がい…

ヨシフ・ブロツキー『ヴェネツィア 水の迷宮の夢』(金関寿夫 訳)を読みました

ヴェネツィア 水の迷宮の夢作者:ヨシフ・ブロツキー発売日: 1996/01/17メディア: 単行本結構前にブックオフで買ったものです。ちょくちょく見かけるので、ベストセラーになったんでしょうか。帯に「ノーベル賞受賞作家の小説、本邦初紹介!」と銘打ってある…

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな 新装版』を読みました

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉作者:管 啓次郎発売日: 2011/05/31メディア: 単行本(ソフトカバー)2020年の終わりを締めくくる記事が、とても素敵な本の感想となることを嬉しく思います。詩人であり人類学者であり翻訳家であり、な管啓次郎の…

アリス・テイラー『窓辺のキャンドル アイルランドのクリスマス節』(高橋歩 訳)を読みました

窓辺のキャンドル アイルランドのクリスマス節作者:アリス・テイラー発売日: 2018/12/07メディア: 単行本アイルランドの人気作家であるアリス・テイラー、初めて読みました。2019年の神保町まつりで手に入れたのですが、去年は読みそびれていて、今年ようや…

ディディエ・エリボン『ランスへの帰郷』を読みました

ランスへの帰郷作者:ディディエ・エリボン発売日: 2020/05/03メディア: 単行本初めにこの本を知ったのは日経新聞朝刊の書評欄でした。誰が書いていた書評だったかは覚えてないんですが、気になってスマホの読みたい本リストにメモしておいた。 そしてその後…

ユーディット・シャランスキー『失われたいくつかの物の目録』を読みました

失われたいくつかの物の目録作者:ユーディット・シャランスキー発売日: 2020/03/26メディア: 単行本こんな本が出たよ、と教えてもらって調べたら「あ、はい、私好みです」ってなったので迷わず買いました。訳は細井直子さん。とても好きなタイプの本。 帯に…

エドゥアルド・ガレアーノ『日々の子どもたち あるいは366篇の世界史』を読みました

日々の子どもたち: あるいは366篇の世界史作者:エドゥアルド ガレアーノ出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2019/12/14メディア: 単行本この本は、昨年末に書店で見かけたときから気になっていました。そのときは買わずに店を出て、年明けに再び書店に行った…

『文学ムック たべるのがおそい』vol.1 を読みました

文学ムック たべるのがおそい vol.1作者:穂村 弘,今村 夏子,ケリー ルース,円城 塔,大森 静佳,木下 龍也,日下 三蔵,佐藤 弓生,瀧井 朝世,米光 一成,藤野 可織,イ シンジョ,西崎 憲,堂園 昌彦,服部 真里子,平岡 直子発売日: 2016/04/15メディア: 単行本(ソフ…

アガサ・クリスティ―『アガサ・クリスティ―自伝』を読みました

アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者:アガサ クリスティー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/10/01メディア: 文庫アガサ・クリスティー自伝〈下〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者:アガサ クリスティー出版社/メ…

高野秀行『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』を読みました

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた作者:秀行, 高野発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)『幻獣ムベンベを追え』で強烈な印象を私に残していった高野秀行なので、書店に並んだ時からずっと気になっていました。やっと読みましたが、やっぱり…

山口果林『安部公房とわたし』を読みました

安部公房とわたし作者: 山口果林出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/07/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る読書会で安部公房の『砂の女』を取りあげるにあたっての資料として読んだのですが、『砂の女』より後の安部公房しか語られてい…

いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記 道草篇』を読みました

見仏記 道草篇作者: いとうせいこう,みうらじゅん出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る昔からこのシリーズが好きでして、久しぶりに新刊を読んだのですが、懐かしくもあり新しくもあり、楽しい読書時間で…

吉田篤弘『チョコレート・ガール探偵譚』を読みました

チョコレート・ガール探偵譚作者: 吉田篤弘出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2019/05/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見るクラフト・エヴィング商會の一人、吉田篤弘の本です。金曜日の本シリーズの一冊。キャラメルやチョコレートの函のような、こ…

チェット・レイモ『夜の魂――天文学逍遥』を読みました

夜の魂―天文学逍遥 (プラネタリー・クラシクス)作者: チェット・レイモ,山下知夫出版社/メーカー: 工作舎発売日: 1988/04/01メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見る古本屋で買いました。工作舎の「プラネタリー・クラシクス」は名…

遠藤周作『聖書のなかの女性たち』を読みました

聖書のなかの女性たち (講談社文庫)作者: 遠藤周作,矢代和子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1972/11/15メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る元々姉が持っていた本だったのですが、実家の引っ越しに伴い私のものになりました。聖…

プリーモ・レーヴィ『周期律―元素追想』を読みました

周期律―元素追想 (プラネタリークラシクス)作者: プリーモレーヴィ,Primo Levi,竹山博英出版社/メーカー: 工作舎発売日: 1992/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (2件) を見る書店で新装版を見かけて、興味を持ったので図…

瀬戸内晴美『古都旅情』を読みました

古都旅情 (新潮文庫)作者: 瀬戸内晴美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1984/03メディア: 文庫この商品を含むブログを見る実家の引っ越しに伴い引き取った本のひとつ。元々は10年以上前に亡くなった祖母の本でした。奥付から推測するに、祖母が70歳くらいのこ…

松岡正剛『雑品屋セイゴオ』を読みました

雑品屋セイゴオ作者: 松岡正剛出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2018/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る雑誌『NW-SF』に、1970年代当時30代だった著者がモノについてのあれこれを綴っていたエッセイを一冊にまとめた本です。…

岡潔『春風夏雨』を読みました

春風夏雨 (角川ソフィア文庫)作者: 岡潔出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版発売日: 2014/05/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る父親の蔵書整理で貰ってきたお古を読みました。実際に読んだのは角川ソフィア文庫ではなく、古い角川文庫版です。…