元箱根・芦ノ湖二日目はホテル近くの箱根神社にお参りしてから、芦ノ湖湖畔の高台に位置する現代日本画の美術館・成川美術館に行ってきました。(一日目の記事はこちら)
初めて来館しましたが、落ち着いた雰囲気でスタッフの方もみんな感じが良くて、いい美術館でした。これは通いたい。
パンフレットによれば年に三回展示替えをしているそうで、私が行ったときには以下の展示期間中でした。
・前本利彦~麗しき花鳥画の世界~
・松本勝~花の生命をいつくしむ~
・並木恒延~うるし七彩~
・収蔵名作展~日本画の煌めき~
これがまた、どれも良くてですね! 現役作家の作品が見られる貴重な場でした。一部、作品を売っているのも良い。
現役作家の作品展だと画廊での開催が多い印象なのですが、画廊ってたいてい入場無料なだけに、買えもしないのに行ってもいいの?? という敷居の高さがどうしても拭えず……。しかし美術館だとお金を払うので、観る側の気持ちとしても楽なんですよね。観に来たんです、という言い訳が立つので。だから院展なんかも好き。
でも画廊とかでやってる作品展ももっといろいろ行きたい気持ちはあります。まぁそれはまた別の話。
今回の展示作品の中で特に嬉しかったのが、ちょうど並木恒延の展示に当たったことです。彼のことはつい先月、トーハクでやってた「工藝2020」展で知り、気になっていたところだったので。こういうタイミングが続くとちょっと嬉しいですね。今回出品された作品も、繊細で美しかった。全体的に金箔を多用していて派手なところもあるんだけど、それでも上品さは失わないところがいい。色味がまとまっているからか、シックでモダンな感じがします。いろんなパターンの作品が観られて嬉しかったです。好き。
松本勝は新たな出会いでした。スタッフの方が「女性の方が好みそうな作風」と言っていたのも、実際に絵を観ると納得。ふんわりとした陰影のある優しい絵で、うっとりと観入ってしまった。美しい!!! 優しいタッチなんだけどぼんやりしているわけではなくて、花の存在感がすごく好きでした。これは、欲しいな……家に飾りたい。私は蓮の花が好きなので、蓮を描いた絵が特に気になった。でも他の絵も良かった。椅子に座ってしばらくぼーっと眺めていました。今後このお名前には気をつけておこう。
前本利彦はこれまでも何度か観た覚えがあるけど、兎とか猫とかの動物っぽさがいいなと思います。なんか、可愛いって感じじゃないんですよね……野生で生きてる動物感がある。飼い猫だったとしても、庭先で虫とか追いかけて遊ぶタイプの猫って雰囲気。獲物を狙う目をしてる。上品な白猫も、ちょっと神社の狛犬のような眷属感があって、威厳を感じる。鼻筋がすっと通っているからだろうか。人に飼われて可愛がられてるだけのタイプじゃなさそうなとこがいいな。
あと美術館のチケット売り場で「当館自慢の」と紹介された展望ラウンジは、湖畔よりも高さがある分、文句なしに富士山鑑賞のベストスポットでした。これは自慢でしょうとも。来館当初はまだちょっと雲が出ていたけど、中で展示を観ているうちにだんだん晴れてきて、冠雪した富士山が姿を現してくれた。
美術館にはティーラウンジもあって軽食もいただけるのですが、ホテルで朝ご飯をたくさん食べた私はパス。器にもこだわっているようなので、次に来たときにはお抹茶セットでまったりしたいです。
その代わり展望ラウンジ脇のドアから出られたお庭を堪能しました! そんなに広いお庭ではないけど、ベンチがあって、花壇があって、彫刻があって、富士山が綺麗に見えて、人も少なく静か。すごく良かった。
美術館の後はしばらく湖をぼーっと眺めた後、帰宅しました。一泊二日でしたがリフレッシュできたなぁ。元箱根~小田原間のバスだけしんどかったけども。
しかし湖畔のお散歩は楽しいです。やはり水辺は良い。次の機会には、恩師箱根公園の方まで足を伸ばそうと思います。