好物日記

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映画『アポロ11 完全版』を観てきました

apollo11-movie.jp

映画館でドキュメンタリー映画『アポロ11 完全版』を観てきました。僕らが生まれてくるずっとずっと前に月に行ったアポロ11号ですが、まだたった50年なんですね。あるいはもう50年というべき?

子どもの頃の夢は「宇宙飛行士」だったくらいに好きな分野なので、これまでにテレビや映画で似たような場面を観てきてはいるのですが、わかっていてもテンションダダ上がりでした。とくに今回はドキュメンタリーなのですべてのカットが「当時のもの」なのです。
最近じゃ宇宙ものの映画なんて山のようにありますし、たとえば『ゼロ・グラビティ』なんか美しくてたまらなかったけど、でもやっぱりドキュメンタリーもいいなぁ。宇宙からみた地球や宇宙船内の映像がそこまでキレイな画質で写っていないのが逆に新鮮な感じ。特にヒューストン待機の技術者組がしっかり写っていたのが良かったです。あのNASAの管制室に並んでいるコンピュータはIBMなんだろうな。あの場にいた人たちがその後も最前線でがんばっているはずで、あのときあの場にいたことが彼らの自信になっているんだろうな。そりゃそうだよなぁ、だって本当にすごいことだ。
月に向かうメンバーの半生を振り返る写真をばばばっと映し出すシーンがすごく良かったです。総じて編集が上手かった印象。

しかしドキュメンタリーの映像って、実録というだけでただならぬ力強さを感じますね。最終的に月に行けるし無事に帰ってくるとわかっていてもわくわくすることこの上ない。ロケット発射準備のカウントダウン大好きです。当時アポロ計画に携わった人は尚更だったろうな。アポロ計画の花形は初めて月面着陸を果たしたアームストロングだけど、月面着陸組の2人を拾うために月を周回して月面着陸しないまま地球に戻ってきたコリンズの心中を思うと、よくできた人だなと感服します。だってすぐそこに月があるんですよ!自分も降りたかったろうになぁ。地球との通信も途絶える月の裏側を一人で回って、半径約38万キロ弱の空間に人間が3人しかいないようなところで!任務とは言ったって、えらいなぁ、すごいな。

いやしかし、「月面着陸」ってセンセーショナルですね。当時の社会背景とか、いろいろ事情があるとはわかっててもテンション上がる。開拓精神にあふれたアメリカが初の月面着陸を果たしたのも納得です。いかにもって感じだ。
とはいえアポロ計画以後、月に立った人類はまだいません。今の技術なら当時ほど難しいことではないのは確かなんだけど、そこまでお金をかけるほどのリターンがないのは理解できる。だったら宇宙ステーションのほうがよほど役に立つでしょう。技術的には難しくないけど金の出所がない、みたいなパターンって結構多い気がします。
しかし自国の一部の人たちファーストな風潮が広がっている今こそ、こういう「湧き上がるわくわく感」が必要なのでは!?世界中で拍手喝采しちゃうようなノリって世界平和につながる気がする。
別に宇宙じゃなくてもいいんです。2足歩行にこだわる必要はないけど格好いいからって理由で巨大人型ロボットを作るとかそういう、目で見てわかるわくわく感ですよ!この技術使ったらこんなことできちゃうじゃん、やってみよう!という未知への挑戦は科学のパワーの源だ。人間ってそうやって生き延びてきたのではないのか。いや実際そういうのって世界でいろいろ発表されているんだと思うんですが、月面着陸というのはやっぱりインパクトでかすぎてすごい。うん、すごい。

ちなみにソ連スプートニクやボストーク号のことも気になってちょっと調べたのですが、ガガーリンの伝記映画しか出てこなかったです…。違うそうじゃない、私が欲しいのは英雄譚ではなくて打ち上げを巡るドラマなのだ。アポロはあんなに映画があるのにやっぱりロシアは秘密主義なの!?
そして『はやぶさ』をまだ観ていなかったことに気が付いたので、近々観たいです。