好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

神戸海洋博物館・カワサキワールドに行ってきました

www.kobe-maritime-museum.com

www.khi.co.jp

神戸で時間が空いたので、神戸海洋博物館とカワサキワールドに行ってきました。この2つの施設は同じ建物に併設されていて、同じチケットで観ることができます。
場所はメリケンパークのあたり。1987年に神戸開港120周年記念として海洋博物館が開館、2006年から川崎重工業の企業博物館が開館したのだとか。

なかなか特徴的な建物で気合入れて開館したのがわかりますが、建物がだいぶ老朽化していました。ポートピアが1981年なので、その時の賑わいを後押しするような形で計画されたのかな。市街地から少し離れているのがネックでした。お手洗いも古かった。カワサキワールドのほうはさすが企業博物館なのでタッチパネルで製品紹介したり、ロボットのデモンストレーションしたり、プラレール的なジオラマを置いたりと綺麗にしていましたが、海洋博物館は、応援するからもうちょい頑張って!

まずは海洋博物館から見学しました。入口からずらーっと船の模型が並んでいるのは壮観。人気があるのはやはり19世紀ヨーロッパの戦艦ですね。帆船は見栄えがいい。実際に船首に飾られていた守護神の像などは保存状態もよく、興味深かったです。
日本の大きな港には、たいてい船に関する博物館や資料館があります。働く船の説明や船の歴史についてはどこの博物館でも同じような話をするしかないので、見どころは土地ならではという部分になるのですが、神戸海洋博物館は歴史背景の展示スペースがそんなに広くなくて、模型にスペースを割いているのがもったいないというか、それはそれで見ごたえがあるのですが、あまりに数が多いのでだんだんありがたみがなくなってしまう。
歴史的な部分で一番面白かったのが、大輪田泊って神戸だったのか!ということです。
大輪田泊、教科書に出てきたなぁくらいしか記憶にない単語でしたが、説明書きを読んでいるうちにだんだん思い出しました。平清盛日宋貿易のために修繕させた港。そのときに海を埋め立てて人工島を作ったのですが、平清盛は人柱を立てて海神の怒りを鎮めるというこれまでのやり方をやめ、お経を収めて対処したとのこと。平清盛を悪役に据えた『平家物語』の中でも、実に人道的だと珍しく褒められている、とパネルに書かれていたのが印象的でした。また船瀬工法というのがあったのですが、これは古くなった船に石を詰めて海に沈める埋め立て方法なのだそうです。いらなくなった船、勿体ないですもんね。1000年前の土木技術が垣間見えるのが面白い。
もう一つ神戸ならではで面白かったのが「ヤマト1」のプロモーション展示です。超電導を利用して1992年に世界で初めて有人自力航行に成功した実験船だったそうで、リニア船みたいなものなのかな、というイメージ。どういうシステムで前に進むかというのを、映像入りで説明してくれるのですが、内容が最先端技術な割にはビジョンの表示方法が古めかしく、ギャップが印象的でした。そう、そういうとこなんですよ…いまだに1990年代の展示方法なの、勿体ない。
とはいえ音声は英語と中国語も選べたし、客層もかなりインターナショナルでした。もっと英語パネル増やすか、音声ガイドを作ればいいのにな。しかし随所に予算のなさを感じさせるものがあり、経営が厳しそうなので難しいのかも…うーん、補助金だけで賄うのは難しいだろうなぁ。夏休みになったら来場者も増えるのかな?

続いてカワサキワールドも入りましたが、こっちは全体的に科学館の雰囲気です。施設内の一角になっているから、分譲したんだろうな…。
創業者紹介からはじまり、100年にわたって企業が世に送り出してきたものがずらーっとパネル展示されているのは圧巻!海から空から工場から宇宙まで、さすがですわ川崎重工業…。ロボット好きとしてはロボットのデモンストレーションがツボでした。ボタンを押すと重いもの持ち上げたり細かいもの綺麗に並べたりする産業ロボットのデモンストレーションをしてくれる。メカメカしい!ほかにもフライトシュミレーターや鉄道模型ジオラマなんかもあり、子供も大人も楽しめる施設でした。特に海外のお客さんが多く、子供がバイクにまたがったりして楽しそうでした。世界のカワサキ

神戸は今も「港町」が売りですし、現役の港でもあるのですが、働く船を見るならメリケンパークよりはポートピアなのかな?海洋博物館の近くにはホテルオークラもスタバもあったけど、もうちょい飲食店とか増やしてくれるともっとゆっくりできるのかなぁなどと思いました。単純に平日の午前中だから人が少なかっただけかもしれませんが。
海洋博物館は建物のデザインもおもしろいので、もうちょっと建物綺麗にして英語解説増やして、まわりの企業と協力して長く続けてほしいなと思います。