好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

高里椎奈『うちの執事に願ったならば 4』を読みました

映画化おめでとうございます。予告編をちらりと見ましたが、花穎くんと衣更月はだいたいイメージ通りでした。
由緒正しき家柄の若い当主と若い執事が協力したり反目したりしながら事件を解決する、人が死なないミステリシリーズです。いつも食事の描写がおいしそうなので、しっかり料理をしたくなる。
しかし映像化するとなると、屋敷の調度品が気になるなぁ。食器とか何使うんだろう。どこかの洋館で撮影したのかなぁ。

『うちの執事が言うことには』を第一シーズン、『うちの執事に願ったならば』を第二シーズンを勝手に読んでいますが、第二シーズンはやっぱり衣更月のターンですね。いつも完璧な執事ぶりを見せてくれる衣更月ですが、言っても彼もまだ若いので、たまに未熟なところが垣間見えて可愛い。中高生時代なら花穎くん視点で読んでいたと思うのですが、今となっては運転手の駒地あたりの視線で、若い二人の成長をほほえましく思いながら読んでいます。これが大人になるということか…
とはいえ執事シリーズの第一巻は2014年刊行で、かなり最近のシリーズなので、読み始めた時からすでに視点は駒地さんでした。

高里椎奈はそれこそ中高生時代からずっと好きで読み続けている作家ですが、当時のメインシリーズだった薬屋探偵も、当時と今とでは読む側の視点が変わっているので、これが読書の面白いところでしょう。ちなみに薬屋探偵が文庫化されたときはちょうどアニメーション的なイラストが表紙になることが増えた時代にあたっていて、漫画化されたようなイラストが表紙になっていることにモニョモニョしたのも良い思い出です。そこも魅力のひとつではあるんだけど、この作品の良さはそこだけじゃないんだよ…と。
しかしそれで手に取ってくれるならいいきっかけなのかな。時代は変わるものだ。

高里椎奈の作品がジャニーズ系との相性がいいのはわかります。ジャニーズの主演俳優をきっかけに映画を見るお嬢さん方が、原作も読んでくれるといいなぁ。

全体的にほのぼのした作品なので変な緊張感なく読める貴重な本です。息抜きに良い。