好物日記

本を読んだり美術館に行ったりする人の日記

『RIKKA ZINE vol.1 SHIPPING』を読みました

rikka-zine.com2022年11月に東京で開催された文学フリマにて入手した国内外SF・ファンタジーのZINE『RIKKA ZINE』を読み終えました。 2010年代海外SF傑作選などを手掛ける橋本輝幸さん責任編集とあらば、きっと面白いに違いない!ということで迷わず入手した…

後藤明生『挟み撃ち』を読みました

挾み撃ち (講談社文芸文庫)作者:後藤 明生講談社Amazon後藤明生の名前を知ったのは、2022年6月に刊行された『代わりに読む人創刊準備号』だった。www.kawariniyomuhito.comTwitterで流れてきて興味を持って書店で手にとって、面白そうだったのでそのまま買…

イサク・ディーネセン『バベットの晩餐会』(桝田啓介 訳)を読みました

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)作者:イサク ディーネセン筑摩書房Amazon前々から噂には聞いていたものの未読であった『バベットの晩餐会』を読みました。表題作と『エーレンガード』の二本立ての短篇集です。ちなみに映画は観ていません。舞台はノルウェーの…

2022年回顧

気づいたら大晦日だった。 2022年はこれまでの人生で一番仕事が忙しい年だった。なんかずっと働いていた。なんなら夢の中でも仕事していた。もうやってられーん!転職してやる!と騒いでいた時期もありましたが、いろいろあって今のタイミングでは諦めました…

フリオ・リャマサーレス『リャマサーレス短篇集』(木村榮一 訳)を読みました

リャマサーレス短篇集作者:フリオ・リャマサーレス河出書房新社Amazon木村榮一訳のリャマサーレスの短編集が出たと知ったなら、読まないわけがない。 リャマサーレスは1955年生まれのスペインの作家で、『黄色い雨』という長編小説で有名な作家です。しかし…

翻訳ペンギン『翻訳編吟 11』を読みました

2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した『翻訳編吟 11』を読みました。 編吟と書いて「ペンギン」と読むようです。著作権の切れた作品の翻訳を行っているサークルさんで、前々から気にはなっていたものの、購入は初です。 ホームページが…

ねじれ双角錐群『故障かなと思ったら』を読みました

nsoukakusuigun.booth.pm2022年11月22日(日)に東京で行われた文学フリマにて入手した、文芸同人・ねじれ双角錐群によるSFアンソロジーです。 ねじれ双角錐群さんは以前の文学フリマで発売前から噂になっていた『来たるべき因習』を読んでから、毎回チェック…

『人文学のレッスン 文学・芸術・歴史』を読みました

www.suiseisha.net信頼の水声社から2022年2月に刊行されていた人文学の本です。武蔵大学の人文学部の先生方が多く執筆されていて、大学の講義をちょこっとだけ聴講するような気分で一日一項目ずつ読んでいました。「人文学」がカバーする範囲はめちゃくちゃ…

高村友也『存在消滅 死の恐怖をめぐる哲学エッセイ』を読みました

半年以上ぶりにブログを更新します。 これまでの人生でもっとも仕事が忙しい一年を送っており、読書量が減ったり外出頻度が減ったりしましたがそろそろ復帰したいところ。 書店の巡回は定期的に行っており、この本も書店でたまたま見かけて買いました。こう…

OracleLinux7.9のGUIデフォルト設定を変更しました

先日、VMware Workstation PlayerにOracle Linux7.9を入れて、Oracle Database 19cのデータベースを作成しました。OracleのインストールにはOracle Universal InstallerというGUIウィザードが便利です。そのためOSインストールの際に「サーバ(GUI)」を選ん…

ESXiをインストールしました

<これまでのあらすじ> 新調したPCにVMware Workstation Playerをインストールし、ESXiを立てて、Oracle Database RACを構築しようと目論む ↓ 新調したPCのOSがWindows11(VBS機能デフォルト有効)だったため、Windows Hypervisor Platformを追加導入してVM…

ESXiをインストールできませんでした

先日無事にVMware Workstation Playerのインストールが完了したので、次にESXiをインストールするための仮想マシンを作成しようとしました。 ……が、結論から言いますと、記事タイトルにある通り、失敗しました。 VMware Workstation Playerのインストール方…

VMware Workstation Playerをインストールしました

※2022/4/9追記※ 本記事は2022/4/3に公開されたものですが、その後の作業によってESXiを入れるためのVMware Workstation Playerをインストール方法としては不適切であることが判明しました。(続き:ESXiをインストールできませんでした) ESXiの構築を想定し…

ダリアン・リーダー『HANDS―手の精神史』(松本卓也・牧瀬英幹 訳)を読みました

ハンズ 手の精神史作者:ダリアン リーダー左右社Amazon書店で見つけて買いました。「私たちは手のしもべである。」という、帯のアオリにやられたのです。 想像が膨らむ目次は以下の通り。1. 分裂する手 ―自律と自由のパラドックス 2. 自律する手 ―手と口の…

映画『最後にして最初の人類』を観てきました

synca.jpヨハン・ヨハンソンの遺作だというので、何が何でもスクリーンで観ねばならん! と思い、直行直帰で行ってきました。壮大なサウンドノベルという感じで、非常に好みでした。万人受けではなさそうですが、私にはどストライクで、がっつりと心を鷲掴み…

「2022年の『ユリシーズ』」の読書会(第十二回:第十二挿話)に参加しました

www.stephens-workshop.com2021年6月27日にZoom上で開催された「2022年の『ユリシーズ』」の読書会、第十二回目に参加しました。この読書会は2019年から隔月で開催されており、『ユリシーズ』刊行100周年である2022年に『ユリシーズ』を読了しようという壮大…

工作舎 編『最後に殘るのは本』を読みました

最後に残るのは本工作舎Amazon工作舎50周年記念出版、本にまつわるエッセイ集です。帯には「67人の書物随想録」「ようこそ、書物の迷宮へ」と書かれていて、その帯の紙質といいフォントといい、本体の装幀の美しさといい、もうニヤニヤが止まらず素通りなん…

東京国立博物館『国宝 鳥獣戯画のすべて』に行ってきました

chojugiga2020.exhibit.jpすでに会期が終ってしまった展覧会の感想となってしまい恐縮ですが、先月半ばに久々に博物館に行ってきたので、未来の自分のために記事にのこしておくことにします。友人が誘ってくれて、半年以上ぶりに展覧会に行きました。やっぱ…

ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』(水野忠夫 訳)を読みました

巨匠とマルガリータ(上) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon巨匠とマルガリータ(下) (岩波文庫)作者:ブルガーコフ岩波書店Amazon実は結構前に読み終わっていたんですが、ずっと記事を書きそびれていました。めちゃくちゃ面白くて夢中で読んだも…

映画『犬は歌わない』を観てきました

moolin-production.co.jp以前別の映画を観た時に予告編が流れて、気になったので観てきました。モスクワの野良犬が生活する映像を中心としたドキュメンタリ―映画です。英語タイトルは "SPACE DOGS" なのを、「犬は歌わない」と訳したセンスに痺れる。 なおこ…

西崎憲・編『移動図書館の子供たち』を読みました

kaze no tanbun 移動図書館の子供たち作者:我妻 俊樹,円城 塔,大前 粟生,勝山 海百合,木下 古栗,古谷田 奈月,斎藤 真理子,西崎 憲,乘金 顕斗,伴名 練,藤野 可織,星野 智幸,松永 美穂,水原 涼,宮内 悠介,柳原 孝敦柏書房Amazon<kaze no tanbun>シリーズ第二…

映画『デカローグ』5,6を観てきました

www.ivc-tokyo.co.jp最初は『不思議惑星キン・ザ・ザ』を観に行くつもりだったのだ。しかし当てにしていた映画館ですでに公開終了していたので、じゃあ別のを……となった。お気に入りの映画館であるシアター・イメージフォーラムのHPで『デカローグ』をやって…

現代思想 2020年10月臨時増刊号『総特集 ブラック・ライヴズ・マター』を読みました

現代思想 2020年10月臨時増刊号 総特集◎ブラック・ライヴズ・マター作者:大和田俊之,磯部涼,檀廬影,有光道生,和泉真澄青土社Amazon2020年10月に臨時増刊号として店頭に並んだ現代思想の「ブラック・ライヴズ・マター」特集。装幀が格好いいなと思ったら、川…

映画『ファーザー』を観てきました

thefather.jp映画館で予告編を観てこれは行かねばと思っていた『ファーザー』を、ようやく観てきました。あんまり期待しすぎるのもどうかなとも思っていたけど、要らぬ心配でした。実に良かった。ロンドンで独り暮らしをする老人アンソニーは、娘のアンが派…

文楽「生写朝顔話」を観てきました

www.ntj.jac.go.jp令和3年5月の文楽東京公演、第二部を観てきました。演目は「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」です。 文楽の東京公演はなるべく行くようにしているのですが、ブログ記事を振り返ったら2020年秋から行っていなかった。冬に行きそび…

「2022年の『ユリシーズ』」の読書会(第十一回:第十一挿話)に参加しました

www.stephens-workshop.com2021年4月25日にZoom上で開催された「2022年の『ユリシーズ』」の読書会、第十一回目に参加しました。2019年に始まったこの読書会は『ユリシーズ』刊行100周年である2022年まで、3年かけて『ユリシーズ』を読んでいこうという壮大…

ローレン・アイズリー『星投げびと コスタベルの浜辺から』(千葉茂樹 訳)を読みました

星投げびと―コスタベルの浜辺から作者:ローレン アイズリー発売日: 2001/11/01メディア: 単行本古本屋で工作舎の自然科学系エッセイを見かけたときは、できるだけ買うようにしている。外れがないからだ。 この本も、古本屋で見つけて買った一冊です。著者の…

ブッツァーティ『タタール人の砂漠』(脇功 訳)を読みました

タタール人の砂漠 (岩波文庫)作者:ブッツァーティ発売日: 2013/04/17メディア: 文庫ずっと本棚に飾っていたブッツァーティの『タタール人の砂漠』を遂に読みました。いろんなところで良い評判を聞いていた小説でした。これが噂の!内容をあまり知らずに読み…

J・シュペルヴィエル『ノアの方舟』(堀口大學 訳)を読みました

シュペルヴィエル『ノアの方舟』堀口大學訳、青銅社、1977年古本屋でシュペルヴィエルの本を見つけたので、買って読みました。普段はAmazonのリンクを記事冒頭に載せるのですが、ISBNがついていない本だったので、代わりにセルフ書影を掲げておきます。 青銅…

「第18回英詩研究会」に参加しました

poetry2012.exblog.jp2021年3月28日にオンラインにて開催された「第18回英詩研究会」に参加しました。なんと今回は、発表者として!英詩研究会は半年に一度くらいのペースで開催されていて、コロナ禍以降はオンラインでの開催となっています。今回は2020年の…